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掲載記事全文

 ●4-4 井之上喬の「井之上ブログ・メール」[2010/07/15配信]

株式会社井之上パブリックリレーションズ
取締役社長&CEO
早稲田大学大学院客員教授
井之上 喬

井之上 喬(いのうえ・たかし)
1944年生まれ。早稲田大学第一商学部卒業。 日本楽器製造株式会社(現ヤマハ株式会社)を経て、1970年に(株)井之上パブリックリレーションズを設立。 以来、インテルやアップルをはじめとして広範なPRコンサルテーション業務を手がける。 また、日本の通信市場開放や自動車部品市場の規制緩和、日米半導体摩擦の解消に貢献。 2004年、日本パブリックリレーションズ研究所を設立。 現在、内外の企業、政府機関、団体など幅広い分野の顧客に対しコンサルティングを行うとともに、国際会議や米国ウオートンスクー ルを初めとする内外の大学での講演など多数。 1997年国際PR協会(IPRA)ゴールデン・ワールド・アワード最優秀賞(アジア初)。 〈主な著作〉共著The Global Public Relations Handbook:Theory, Research, and Practice(Lawrence Erlbaum Associates、2003)。 編著「入門・パブリックリレーションズ」(PHP研究所、2001)。 〈加入団体など〉日本パブリックリレーションズ協会会員。 米国PR協会会員。 国際PR協会フェロー。 日本広報学会理事。 情報文化学会産業部会長・u栫B日本外国特派員協会(FCCJ)会員。 国連開発計画DEVNET協会(日本)理事。早稲田大学客員教授。
企画趣旨
このコラムは「井之上ブログ メールマガジン」http://inoueblog.com と同文のものですが、PR歴35年の経験を活かしたパブリック・リレーションズの魅力と有効性をお話ししていきます。
┌─┬─────────────────────────────────
|05│井之上喬の「井之上ブログ・メール」……………参議院選挙、民主党大敗
└─┴─────────────────────────────────
  こんにちは、井之上喬です。                                            
                                                                        
  昨年の政権交代後初の本格的な国政選挙となった第22回参院選は、皆さんが既
  にご存知の通り民主が大敗し、参議院で与党は過半数を大きく割り込んでしま
  いました。                                                            
                                                                        
  獲得議席は、民主44、自民51、みんな10、公明9、共産3、社民2、たちあがれ1、
  改革1と121議席を分け合うなかで、戦い済んでみれば自民とみんなの躍進がひ
  と際目立つ結果となりました。                                          
                                                                        
  選挙戦では、9カ月にわたる民主党政権への評価や消費税率引き上げの是非な
  どが争点となりました。政治と金、消費税、普天間問題など民主党を取り巻く
  環境は厳しいものがあったものの、改選前の54議席を大きく下回った惨敗振り
  に同党内で早くも執行部責任を問う声が浮上してきています。              
                                                                        
  ■がたがたの民主党戦略(2/2)                                           
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄                                          
  今回の民主党の敗因はひとえに、鳩山政権から菅政権への移行過程での党内の
  ごたごたから始まっていると見ることができます。                        
                                                                        
  その最たるものが菅首相に始まった国民への10%の消費税提起です。この問題
  にはメディアが反応し、消費税10%是認の自民党をはじめ他の野党も一斉に反
  対姿勢を見せるようになりました。                                      
                                                                        
  そして小沢前幹事長も反応、「昨年公約したマニフェストを守るべき」とした
  同氏の執行部批判が内部混乱を拡大し、メディア報道も併せ有権者には戸惑い
  を与えました。                                                        
                                                                        
  この段階で、民主党の過半数獲得の望みは絶たれたといえます。大半の選挙結
  果が判明した12日未明に菅首相は記者会見し、自身の続投表明とともに「私が
  消費税に触れたことが、やや唐突に伝わった。十分な説明ができていなかった
  点は反省している」と述べています。                                    
                                                                        
  私たちパブリックリレーションズ(PR)の言葉でいうならば、民主党はイン
  ターナル・リレーションズ(企業ではエンプロイー・リレーションズともいい
  ます)が欠落していたことが大きな要因であると思います。                
                                                                        
  企業に例えるならば、社長が極めて重要な経営戦略や事業戦略を役員、幹部社
  員に十分説明することなく定例記者会見で唐突に発表し、それが報道されて株
  価が暴落するばかりか、社員や取引き先まで混乱に巻き込むという結果になっ
  たといったことでしょうか。                                            
                                                                        
  それにしても、もう1人の当事者である小沢前幹事長は今回の選挙をどのよう 
  に総括し、今後自身の党内におけるポジショニングや9月の党大会に向け、ど 
  のような戦略を練っているのでしょうか、気になるところです。            
                                                                        
  ■1票の格差が5倍超え(2/2)                                             
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄                                            
  気になるといえば、1票の格差を報じた東京新聞(7/7夕刊)の記事。2007年の
  参院選の際に選挙区間の1票の格差(前回は最大格差4.86倍)について最高裁 
  が「大きな不平等」と指摘にもかかわらず、是正されるどころかかえって格差
  が広がる結果となっています。                                          
                                                                        
  東京新聞(7/7夕刊)は、「鳥取県民を1票とすれば、神奈川県民は0.19票(筆
  者注:すなわち5.01倍の格差)。こんな選挙が正当といえますか」と“一人一
  票実現国民会議”の関係者の訴えを載せています。                        
                                                                        
  議員1人当たりの有権者数は鳥取県(改選数1)の約48万8,000人に対し神奈川
  県は約244万3,000人で5.01倍。以下大阪府、兵庫県、北海道、東京都の順で鳥
  取県との格差が広がります。                                            
                                                                        
  仮に有権者1,064万2,000人を抱える東京都を鳥取県換算すると、なんと21.8人
  の議席が必要となります。                                              
                                                                        
  今回の選挙では、国会議員をひとりも持たない不利な状態からスタートした新
  党があります。そのひとつが改革派の首長連合、「日本創新党」です。      
                                                                        
  党首の山田宏前杉並区長をはじめ中田宏前横浜市長や斉藤弘前山形県知事らは
  地方行政で財政建直しの実績をもち、いずれも若くて実行力に富む候補者でし
  たが、選挙期間中のメディアとりわけTVの報道規制もあり、結果的に当選者を
  出すことはできませんでした。                                          
                                                                        
  もし1票の格差が是正され、東京都の定員が増えていれば、東京選挙区から出 
  馬した山田候補は当選していた可能性もあります。                        
                                                                        
  菅首相がインターナル・リレーションズにもっと気を使っていたら、1票の格 
  差が是正されていたら、またネット選挙が本格的に解禁されていたらなどなど
  いつも以上にさまざまなことを感じさせられた選挙戦でもありました。      
                                                        【井之上喬・記】
  (感想メール: inouetak@inoue-pr.com )                                  
                                                                        
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  □発行元: 井之上ブログ http://inoueblog.com                          
  □本ブログ・メールの記事を許可なく無断転載することを禁じます。        
  □Copyright(C) 2005-2006 Takashi Inoue. All Right Reserved.
作成日:2010-07-15

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