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●3-1 蓮香尚文の「プレスリリースこそ我が命」[2010/07/19配信]
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|02│蓮香尚文の「プレスリリースこそ我が命」……………ミッション重視戦略
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■地球に住まわせてもらうための税金?(1/2)
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「会社は社会を変えるための道具」という考え方─。
心底そう思える人は立派だと思う。実際にその行動をとっている会社が米国カ
リフォルニア州にあります。「パタゴニア」社。アウトドア・アパレルとアウ
トドア用品を製造販売しているメーカー。
▽パタゴニア 日本支社 http://www.patagonia.com/web/jp/home
同社創業者オーナーの言葉。「我々の宝、本当の価値というのは、すべて太陽
とこの地球から生まれています。だから、我々はそれを守る責任があります」
同社は事業を通じて環境活動を行っています。ペットボトルをリサイクルした
フリース、オーガニック綿100%を使用していることなど、環境への熱心な
取り組みはパタゴニア製品のファンでなくても知っている人は多いはず。
ビジネスを通して危機的な環境問題の改善に貢献するという企業理念は今の時
代をあらわす事業モデルとしてメディアに取り上げられてきた。
オーナーのイヴォン・シュイナード氏は山好きの鍛冶屋から事業を立ち上げた
人。偉大なる登山家にしてサーファー。氏には自伝的経営書「社員をサーフィ
ン行かせよう!」がある。
高品質の登山のクライミング道具の製造事業が成功、やがて米国最大のクライ
ミング・ギアのサプライヤーとなるまでに成長した。
しかし、全米のクライミング人気の加熱に伴って、人気ルートの岩壁は絶え間
なく打ち込まれ、もろい岩肌は深刻なダメージに。この環境被害を目の当たり
にし、またその原因をつくったのが、自らが作った道具(商品)であることに
気がついたイヴォンは、ピトンの製造から手を引くことを決断した。
ビジネスの中核事業であり成長分野であったピトン製造の中止は、経営的に痛
かったが、自然を破壊してまでビジネスを継続させることに会社としての存在
意義はなかった。
このイヴォン自身の経験を教訓に、その後パタゴニアは、「企業は、程度の差
はあれ、みな環境汚染者である。そのことに気がついた時に正しい行動をとる
ことが重要だ」との見解から、環境問題への取り組みむことになる。
「自然を破壊してまでビジネスを継続させることに会社としての存在意義はな
い」うーん、なんとすぱらしい言葉だし、思想だろう。
イヴォンは、1年の半分は会社におらず、世界中の自然を渡り歩き、サーフィ
ン、フライフィッシング、クライミングを楽しんでいる。自然界の荒廃が進む
間も、パタゴニアは発展を続けていた。
イヴォンは、「死んだ地球からは利益は生まれない」と初心に帰り、社員一人
ひとりに対して、自分たちの会社が行うビジネスの意味、環境に対する企業の
使命と価値観を説いた。
同社のミッションステートメント誕生である。それは、利益の追求は第一目的
ではなく、「最高の製品をつくり、環境に与える不必要な悪影響を最小限に抑
える。そして、ビジネスを手段として環境危機に警鐘を鳴らし、解決に向けて
実行する」。
イヴォンは、こう語っている。「ビジネスを行うことで、資源を使い減らし、
環境問題の一因になっていることへの罪悪感から、自らが課した「地球への税
金」としてとらえれば、たいした金額ではない。むしろ、これは企業として地
球へのせめてもの償いであり、責任、使命でもある」。
■導師の言葉「4つの幸せ」(2/2)
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もう1社。こちらは国内企業ですが、知る人ぞ知るの有名な中小企業。神奈川
県川崎市の日本理化学工業。従業員のほとんどが重度知的障害者。商品は黒板
で使用するチョーク関連。粉の出ないチョークとして国内シェア30%強。
▽日本理化学工業: http://www.rikagaku.co.jp/
この会社に養護学校の女性教師が訪ねてきた。「今度、卒業予定の子供を2人
採用していただけないか」。大山社長(当時は専務)は、その子供たちを雇う
自信がなく断った。しかし、その教師は、その後も2度も3度も訪問し、お願
いしたが、それでも断られた。
そこで、教師は「就職が無理なら、せめて働く体験だけでも」とお願いし、社
長は「1週間だけなら」という条件で2名を就業体験させることに。
従業員が雇用を社長に直訴就業体験が始まると、2人は、就業時間が午前8時
から午後5時までなのに毎朝7時には出社し、慣れない作業に一生懸命取り組
んだ。
1週間が過ぎ、就業体験が終わろうとした頃、10数人の従業員が社長に面会
を求めた。そして「是非、あの子達を正社員に採用して欲しい。彼らにできな
いことがあれば自分たちがカバーするから」と直訴。
彼らが社員の心を動かすほど一生懸命働いたからである。そこで、社員の意向
を汲んで正式社員としてこの2人を採用したというのだ。
障害者に合わせて工程を変え、能力発揮雇用したものの、当初は苦労の連続で
あった。そこで、従来のやり方を彼らにさせるのではなく、一人ひとりの能力
に合わせて機械、道具、部品を変えた。
その結果、その人に向いている仕事を与えると能力を最大限に発揮し、健常者
に劣らない仕事ができるようになった。創意工夫によって知的障害者が戦力化
したのである。
大山社長は、障害者を雇用したものの、彼らは働くことが本当に幸せなのか、
よく分からなかった。施設でのんびり暮らすことの方が彼らの幸せではないか、
と考えたからである。
そこで、ある時、禅僧にそれについて尋ねた。禅僧からは、「人の幸せは、人
にほめられ、人の役に立ち、人から必要とされることである」と教えられた。
この言葉から、障害者の幸せが実現できるのは、働く場の提供であり、それは
企業の社会的使命である、と気づいた。それ以降、障害者の雇用に前向きに取
り組み、現在、全従業員の7割以上に達するまでになった。
同社には「働く幸せの像」の彫刻があり、そのときの言葉が刻まれている。
『人に愛されること、人にほめられること、人の役にたつこと、人から必要と
されること、の4つです。働くことによって愛以外の三つの幸せは得られるの
です』と。
以上、米国と日本の2つの企業経営者の発想と行動をみてきました。企業は何
のために、誰のために存在するのかの根本的な問題。
言い換えれば「企業の使命(ミッション)」。経営者の思想をよくあらわした
ミッション重視経営が会社・社会を変えた好例でしょう。
社会を変えたいと思うだったらまず会社を変える。会社を変えるには従業員の
意識を変える。従業員の意識を変えるには消費者のライフスタイルを変える。
所属組織に対する忠誠心ではなく、目的達成に対する忠誠心。ビジネスパース
ンや事業家である前に市民であること。働き方と生き方とが同じ。好きなこと、
楽しいことと仕事との一致。
これらのことから、「会社や仕事は社会を変えるための道具として使う」とい
う考え方にたどりつきます。これらの考え方を日々の広報活動に反映させる。
【蓮香尚文・記】
(感想メール: merumaga@s-pr.com )
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作成日:2010-07-19 |
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