ポーカーはスキルか?運か?

ここ最近、2つのポーカーに関するレポートが注目を集めています。そのうち1つは、ワシントンDCのコンサルティング会社であるCigitalグループが、1億回以上のポーカーハンドという大規模分析を行ったものです。

その結果、以下の2つの分析結果が得られましたが、いずれも経験豊富なポーカープレイヤーの直感と一致するものでした。

・全ハンドの4分の3は、テーブルで相手に見せることなく終わる

・実際に最高のハンドで勝つのは、全ハンドの4分の1程度である

この結果より、ポーカーのハンドは、「運」(配られたカード)があまり関与していない、つまり、ポーカーは「スキル」によるゲームであることが判明し、これは事実から導き出されたひとつの結論といえます。

ただし、この結論は特に必要ありません。ここで必要となるのは、ハンド分析だけでなく、プレイヤー分析もだからです。

CRF(臨界振動数)

このレポートでは、約5万人のオンラインゲーマーの記録が調査されました。はじめに、ポーカーは”スキル”によるゲームであると仮定されましたが、ただし「ポーカーコミュニティがどう考えようが、これはあくまでも検証が必要な仮説である」という補足がついていました。

さらに、「このような研究に利用できるポーカー特有の統計的側面は見つかっていない」という注意書きもついていました。

CRF(臨界振動数)とは、プレイヤーが「このゲーム結果は自分のスキルレベルを表している」と満足するのに必要なハンド数のことです。この指標は、科学者がデータ評価における数値が信頼できると確信する際にも使用されます。

つまり、分かりやすく説明すると、プレイヤーのCRFとは「プレイヤーの才能による影響が、配られたカードのランダム性を上回った瞬間」のことを指します。

ポーカーで本当に勝つのは誰?

データを入手した被験者に占める勝者の割合は高く、なんと3分の1以上でした。

この数字は、勝者は5~7%だとする「従来の常識」を覆すものです。この差異の原因は、調査対象となったゲームにあります。

「従来の常識」の推定値は、ライブプレイや個人の直感に基づいた値です。フィエルダーとロックのデータは、オンラインゲームのものであり、調査対象者の大半は100ハンド以下しかプレイしておらず、負けたらそのまま戻ってこなかったのです。

このような「デッドマネー」が流入すると、多くのプレイヤーが勝ったように見えますが、実際はあまり勝っていないプレイヤーが多いため、「従来の常識」の数値の方が現実に近いことは間違いありません。

また、このようなゲームでは、真の勝者が誰かを特定するのは難しいのですが、彼らの統計ではCRFは「1000ハンド」であり、ライブプレイで「30〜35時間」、インターネットで「12〜14時間」という答えが導き出されています。

もちろん、これは馬鹿げた結果ですが、調査におけるこの数字が注目を集めることとなりました。ところで、なぜこんなに低い数字が出たのでしょう?それは、彼らのサンプルには、ゲームから簡単に脱落したり、飛び入り参加したりするようなひどいプレイヤーが多数含まれていたからなのです。